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Press Release

HEREとAWS、「SDV Accelerator」により 自動車ソフトウェア開発の新時代創出へ

Tokyo, Japan 10 September 2025
  • AWSとHERE Technologiesによる新たなクラウドベースの「SDV Accelerator」は、 自動車メーカーが仮想化技術のメリットをすばやく享受できると共に、パートナーソリューションを通じて優位性を強化します。

  • 「SDV Accelerator」のオープンアーキテクチャは、AWSクラウドおよびAI機能と、HEREの地図・位置情報技術を統合し、さらに、Arm、Elektrobit、FORVIA、ミックウェア、Mireo、NTTドコモビジネス、パナソニック オートモーティブシステムズ、QNXといった企業のソリューションとも連携しています。

IAA Mobility 2025(ミュンヘン)— 地図および位置情報技術のリーディングカンパニーであるHERE Technologies(HERE)と、Amazon.com, Inc.(NASDAQ: AMZN)の関連会社であるAmazon Web Services, Inc.(AWS)は、本日「SDV Accelerator」を発表しました。この取り組みは、自動車業界向けに特化したソリューションガイダンスを提供するもので、包括的なSDVアーキテクチャとサンプルコード、さらにAWS Marketplace上でAWSサービスおよびパートナーソリューションのキュレーションを通じて、自動車メーカーがSDV(ソフトウェア定義型車)の開発を迅速に進められるよう支援します。SDV Acceleratorは、よりスマートな運転体験の提供や、企業のサプライチェーン最適化を支援することを目的として、2022年に開始されたAWSとHEREの戦略的協業をさらに拡大するものです。

SDVは自動車開発における大きな技術的進歩を示していますが、業界では依然として、開発環境の分断、従来型のサプライチェーンモデル、標準化された手法の不足といった課題に直面しています。SDV Acceleratorは、AWSとHEREが共同で選定したAWS Marketplace上のソリューションを厳選して提供することで、自動車メーカーがSDV開発を加速できるよう支援します。この厳選されたリストには、自動車業界がクラウドネイティブな実装への移行を推進する上で重要な役割を果たす、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)による検証済みのソリューションが掲載されています。

さらに、SDV Acceleratorは、これらのソリューションを既存の開発環境に統合するためのガイダンスも提供しています。これにより、ADAS(先進運転支援システム)、車載インフォテインメント、その他の車両関連分野を担当するチームが、パートナーのツールを活用しながらも、自社の開発プロセスやアーキテクチャの選択に対するコントロールを維持することが可能になります。また、厳選されたAWSサービスやパートナーソリューションへのアクセスを簡素化することで、SDV Acceleratorは、自動車メーカー、サプライヤー、ISVがインフラストラクチャの統合ではなく、イノベーションや差別化に集中できるよう支援します。これにより、自動車サプライチェーン全体の開発期間の短縮にも貢献します。 SDV Acceleratorは、Arm、Elektrobit、FORVIA、ミックウェア、Mireo、NTTドコモビジネス、パナソニック オートモーティブシステムズ、QNXといった業界のテクノロジーリーダーを結集し、お客様が製品や機能を革新・カスタマイズ・差別化する能力を高めることを支援します。 今後、SDV Acceleratorを利用する自動車メーカーやティア1サプライヤー向けに、さらに多くのパートナーテクノロジーが提供される予定です。 SDV Acceleratorは、自動車開発において以下のような革新的なメリットを提供します:

開発効率の向上:仮想化技術の実績に基づき、最大70%の開発サイクル短縮、最大30%の研究開発コスト削減、最大7倍のテスト能力向上を実現します。

オープンアーキテクチャ:SOAFEE(Scalable Open Architecture for Embedded Edge)などの業界標準に準拠したお客様の開発環境を強化するように設計されており、相互運用性とスケーラビリティの確保をサポートしつつ、自動車メーカーがアーキテクチャやユーザー体験を自由に制御できるよう支援します。

パートナーソリューション AWSクラウドサービス、HEREの地図・位置情報技術、各種パートナーソリューションの統合をするためのガイダンスとサンプルコードを提供します。これにより、自動車メーカーは開発環境内での情報の自動検出、サブスクリプシヨン管理、計測、ライセンス管理、消費行動機能の効率化を、AWS Marketplaceの検証済みメカニズムを通じて実現できます。

イノベーションの加速:自動車業界のサプライチェーンにおけるコラボレーションを効率化すると共に、ISVは、AWS Marketplace Workbench Ready Programを通じて、APIファーストかつクラウドネイティブなアプローチで自社製品をモダナイズできます。

「SDV Acceleratorは、自動車業界が直面する最大の課題―革新的な車両をより早く市場に投入すること―を支援する画期的なソリューションです」と、AWSの自動車・製造部門ゼネラルマネージャーであるOzgur Tohumcu氏は述べています。

「クラウドネイティブなツールと実績あるパートナーソリューションをよりシームレスに統合することで、自動車メーカーが本当に重要なこと―革新の追求―に集中できるよう支援しています。この画期的なプラットフォームにより、OEMは技術選定やサプライヤーネットワークに対する主導権を維持しながら、従来の統合に伴うボトルネックを排除し、開発の停滞を防ぐことが可能になります」

SDV Acceleratorにシームレスに統合されるHERE Technologies

SDV Acceleratorは、HEREの地図および位置情報技術を統合的に提供し、ナビゲーション、自動運転、電気自動車の航続距離管理において、スムーズで一貫性のあるユーザー体験を実現します。よりシームレスな統合により、自動車メーカーはHEREナビゲーションソフトウェア開発キット(SDK)を活用して、差別化されたブランド独自のナビゲーションインターフェースを構築できるほか、お客様の仮想化された開発環境内でADASの構築・テスト・検証も可能になります。 SDV Acceleratorには、HEREとAWSが共同開発したシミュレーションツール「SceneXtract」が搭載されています。SceneXtractは、仮想運転シナリオの迅速な生成を可能にし、ADASや自動運転機能のトレーニングと検証を加速します。

HERE Technologiesのシニアバイスプレジデント兼自動車ソリューション部門責任者である Remco Timmer は次のように述べています:

「SDVへの移行には、差別化を可能にしながら協業を促進する新たなモデルが求められています。SDV Acceleratorは、自動車メーカーがSDVのライフサイクル全体にわたってイノベーションに集中できるよう、自社のソフトウェアや技術を構築・管理する力を提供します。オープンなパートナー環境とスケーラブルなアーキテクチャにより、自動車メーカーはブランド体験や製品ロードマップの主導権を維持しながら、開発サイクルの短縮と協業の促進を支援します」

SDV Acceleratorの利用を開始してリファレンスアーキテクチャ、サンプルコード、インタラクティブなワークショップにアクセスし、AWS Marketplaceで提供されているパートナーソリューションの詳細については、以下のURLをご覧ください: aws.amazon.com/here

この環境への参加に関心のあるパートナー企業は、以下のページで詳細をご確認いただけます: https://aws.amazon.com/partners/sdvaccelerator/

仮想テスト、継続的インテグレーション(CI)、デプロイの自動化など、どの領域に注力していても、SDV Acceleratorはその取り組みを加速させるためのフレームワークとサポートを提供します。

SDV Acceleratorの最初のパートナー企業によるコメント:

Arm

Dipti Vachani氏(Arm 自動車事業担当 シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー) 「車両におけるAIによるインテリジェントな体験への需要が高まる中、従来の直線的な自動車開発タイムラインはもはや持続可能ではありません。SDV Acceleratorは、自動車メーカーとそのパートナーをつなぐ協業型エコシステムを構築し、Armのソリューションにクラウド上で仮想的にアクセスできる環境を提供することで、開発の複雑さを軽減し、早期のソフトウェア開発と次世代車両の市場投入を加速します」

Elektrobit

Jagan Rajagopalan氏(Elektrobit Automotive GmbH 戦略・ポートフォリオ責任者) 「Elektrobitは、SDV Acceleratorに当社の実績あるソフトウェアの専門知識を提供し、SDVへのシフトを支援できることを誇りに思います。当社のVirtual IVI、AUTOSARベースのプラットフォーム、クラウドネイティブな開発ツールとHEREの高度な位置情報インテリジェンスを組み合わせることで、開発者が次世代のデジタルコックピット体験を完全にクラウド内で設計・テスト・検証できるよう支援します。この協業は、オープンなエコシステム、モジュラーアーキテクチャ、そして業界が確信を持ってイノベーションを進めるために必要なスピード・安全性・スケーラビリティの実現に向けたElektrobitの取り組みを反映しています」

FORVIA

Mona Levacher氏(Appning by FORVIA ディレクター) 「Appning by FORVIAは、組み込みアプリのエコシステムに関する専門知識と強力な顧客基盤を活かし、SDV Acceleratorに貢献できることを誇りに思います。クラウドネイティブなワークフローとAppningのスケーラブルなアプリマーケットプラットフォームを組み合わせることで、自動車メーカーが車内でパーソナライズされ、差別化されたデジタル体験を提供できるよう支援し、ハードウェアからソフトウェアへの価値創造の転換を加速させます。Appningは、自動車メーカーとアプリ開発者をつなぐ架け橋となります」

Micware

鳴島 健二氏(ミックウェア代表取締役社長 兼 会長) 「現在のSDV開発では、エコシステムの活用と開発サイクルの加速がますます重要になっています。このような状況の中で、業界横断的な協業領域を支えるプラットフォームの構築は非常に意義があると考えています。ミックウェアは、車載領域とクラウド領域の両方で培った豊富な経験と実績を活かし、本取り組みに参画します。メーカーは独自機能に、ティア1サプライヤーはハードウェア統合に、サードパーティパートナーは得意分野のアプリ開発に集中できる環境を構築することで、ユーザーに迅速かつ高品質なサービスを提供し、持続可能なモビリティ社会の発展に貢献していきます」

Mireo

Dr. Ivica Siladić氏(Mireo CTO) 「この取り組みは非常に有望です。日々のロジスティクスやリファレンス設定の正確性の確認、複数プロバイダーのサービス統合など、重要でありながら煩雑な課題を解消する助けとなります。これは、Mireoの高度なナビゲーションおよびADASソリューションが完璧に適合する、より洗練され、将来を見据えたインフォテインメントシステムの構築を間違いなく促進するでしょう。私たちは、より多くの自動車メーカーやシステムインテグレーターとの協業を通じて、車両がより楽しく、ドライバーとユーザーにとって優れた体験を提供できるよう尽力していきます」

NTTドコモビジネス

玉井 佑治氏(NTTドコモビジネス グローバルコネクテッドカー担当ディレクター) 「モバイル通信は、SDVの開発やコネクテッドカーサービスの提供において、ますます重要かつ不可欠な存在となっています。NTTドコモビジネスは、AWSとHEREの取り組みを支援し、業界パートナーの一員として参加できることをうれしく思います。NTTグループのグローバルIoT通信プロバイダーであるTRANSATELと共に、自動車メーカーやティア1サプライヤーに向けてグローバルな通信サービスを提供し、SDV開発の加速とコネクテッドサービスの実現に貢献していきます」

パナソニック オートモーティブシステムズ

Andrew Poliak氏(Panasonic Automotive Systems America CTO) 「クラウド上でエッジとのバイナリ互換性があるソフトウェア開発を可能にすることで、ハードウェアが利用可能になる前の段階から、AWS上で車載ソフトウェアの構築と検証が可能になります。当社のシフトレフト(shift-left)アプローチでは、ソフトウェアをターゲット車両にシームレスに展開できるため、市場投入までの時間とCI/CDを劇的に加速させます。SDV Acceleratorのパートナーネットワークとのコラボレーションにより、自動車メーカーとそのサプライヤーがより速く革新し、よりスマートに統合し、次世代モビリティをかつてないスピードで提供できるよう支援してまいります」

QNX

Grant Courville氏(QNX 製品・戦略担当SVP) 「QNXでは、安全性や信頼性を損なうことなく、自動車メーカーがイノベーションを加速できるよう、クラウドファーストの開発アプローチを長年にわたり採用してきました。当社のOSおよびハイパーバイザー技術は、最新のSDVワークフローへの安全かつスケーラブルな統合を目的に設計されており、次世代車両のニーズを満たす効率的なソフトウェアアーキテクチャを実現します。HEREおよびAWSとの新たなSDV Acceleratorを通じた協業により、自動車メーカーがより速く革新し、よりスマートに統合し、安全でより差別化された運転体験を自信を持って提供できるよう支援できることをうれしく思います」

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vanessa.lee@here.com

HERE Technologiesについて

HEREは、地図や位置情報技術の分野で40年にわたり先駆的な役割を果たしてきました。現在では、HEREのロケーションプラットフォームは業界で最も充実したものとして評価されており、世界中の企業や団体が、位置情報を活用した製品やサービス、カスタムマップの提供に活用しています。自動運転やスムーズな物流、新しいモビリティ体験など、HEREはパートナーやお客様が自社のデータをしっかりと管理しながら、安心してイノベーションを進められるようサポートしています。HEREがどのように世界の前進を支えているのか、ぜひhere.comでご確認ください。

アマゾン ウェブ サービスについて
アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、2006年に他社に先駆けてサービスを開始して以来、世界で最も包括的かつ幅広く採用されたクラウドサービスになっています。AWSは継続的にサービスを拡大しており、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーク、分析、機械学習および人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、モバイル、セキュリティ、ハイブリッド、メディア、ならびにアプリケーション開発、展開および管理に関する240種類以上のフル機能のサービスを提供しています。AWSのサービスは、38のリージョンにある120のアベイラビリティーゾーン(AZ)でご利用いただけます。これに加え、チリ、サウジアラビア王国、ドイツの3つのリージョンにおける10のAZの開設計画を発表しています。AWSのサービスは、アジリティを高めながら同時にコストを削減できるインフラエンジンとして、急速に成長しているスタートアップや大手企業、有数の政府機関を含む数百万以上のアクティブなお客様から信頼を獲得しています。AWSの詳細については以下のURLをご参照ください。https://aws.amazon.com/

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