
HERE Location Reasoningは、AWS MarketplaceやKiro Powerをはじめ、さまざまなAIプラットフォームで利用可能です。信頼性の高い地理空間インテリジェンスを活用することで、AIが現実世界の状況をより的確に理解し、判断できるよう支援します
世界をリードする地図・位置情報サービス企業であるHERE Technologiesは本日、HERE Location Reasoning(HLR)の利用範囲を拡大したことを発表しました。これにより開発者は、信頼性の高いHEREの地理空間インテリジェンスを、エージェント型AIシステムや実世界で活用されるAIアプリケーションに、より簡単に組み込むことが可能になります。HLRは、AWS Marketplaceでの提供に加え、Kiro Powerとしても利用できます。
HLRは、HERE TechnologiesとAWSが継続的に推進する戦略的協業の一環であり、AWSクラウドおよびAWSのAIサービスを最大限に活用し、自動車およびエンタープライズ向けソフトウェア開発を支援することを目的としています。この協業には、2024年から開始したAWSとの10年間・10億米ドル規模のクラウドインフラ契約、AWSを活用したHEREの新たな輸送・物流ソリューションの構築と拡大を目的として2022年に締結した戦略的協業契約(Strategic Collaboration Agreement)、さらに2025年9月にHERE TechnologiesとAWSが開始したSDV Acceleratorが含まれます。SDV Acceleratorは、自動車向けソフトウェア開発の強化を目的に、AWS Marketplaceで提供される厳選された製品やサービスへのアクセスを簡素化します。
HLRはAWS上に構築され、Amazon Bedrock AgentCore上のModel Context Protocol(MCP)サーバーとしてデプロイされており、AIエージェントは地図や位置情報に関する処理を、再現性と信頼性の高い形で実行できるようになります。今回のHLRの提供拡大により、AWS Marketplaceでの従量課金制サブスクリプション、Kiro Powerとして利用できるほか、Wherobotsをはじめ、AWS上でネイティブに稼働するAIプラットフォーム、エージェント型IDE、空間データプラットフォームなど、拡大を続けるエコシステムを通じても利用できるようになりました。
この拡張により、企業向けAIアプリケーションは、HEREの信頼性の高い位置情報・地理空間データを活用できるようになります。LLMが得意とする「人間の意図の理解」に加え、現実世界における正確な位置関係や地理的文脈を提供することで、位置情報を必要とする業務やサービスにおいて、より正確で信頼性の高いAI活用を実現します。開発者は使い慣れたワークフローからHLRを呼び出すことができ、物流分野では配車や配送の最適化、自動車分野では目的地や充電状況を考慮したアシスタント機能、エンタープライズ分野ではフィールドサービス計画、アセット配置、カスタマーサポートの改善などに活用できます。
HLRは、高品質な地図データ、リアルタイム交通情報、ジオコーディング、施設・地点検索、乗用車および商用車向けのルート最適化、EV充電インテリジェンスなど、現実世界でAIを活用するために必要な推論機能とAIシステムをつなぎます。
HERE Technologies Enterprise & AI Solutions担当 シニアバイスプレジデント Mahesh Shahのコメント:
「生成AIの価値は、情報を生成することから実世界で意思決定し行動することへと移りつつあります。しかし、そのためにはLLMだけでは十分ではありません。AIが現実世界で正しい判断を下すには、『どこで』『何が』『どのような条件の下で起きているか』を正確に理解する必要があります。HERE Location Reasoningは、その現実世界の文脈と位置情報インテリジェンスをAIに提供し、企業が構築するAIシステムをより実用的で信頼性の高いものにします」 HERE Technologiesは、AWS Data-Driven Everything(D2E)プログラムを通じて、AWSとHERE Location Reasoning(HLR)の開発に取り組みました。これにより、最先端のエージェンティックAI基盤上でHLRを迅速に展開し、その機能を開発者のワークフローに直接組み込むことが可能になりました。
HERE TechnologiesとAWSの協業における今回の新たなマイルストーンにより、信頼できるデータと地理空間推論に基づいて現実世界を理解するAIを支援し、AIエージェントの意図を、現実世界で実行可能な意思決定へとつなげます。
AWS オートモーティブ&マニュファクチャリング担当GM、Ozgur Tohumcu氏のコメント:
「お客様が次世代のエンタープライズAIエージェントを構築する上で、信頼できるツール、柔軟な開発環境、そして自社のニーズに最適なモデルやアーキテクチャを自由に選択できることが重要です。HERE Location Reasoningは、現実世界を理解し、そこで行動する必要のあるエージェント型AIアプリケーションに、信頼性の高い空間インテリジェンスをもたらします。AWS MarketplaceとKiroを通じて、こうした機能をより簡単に利用し、開発に活用できるようになります」
地理空間インテリジェンスでAIをグラウンディング
HLRは、エージェントの意図とHEREの地理空間インテリジェンスを結びつけます。空間的なロジックを言語モデルに推測させるのではなく、信頼性の高いHEREのデータとサービスを活用して、位置情報に基づく計算を行います。これにより、誤ったルート、制約条件の見落とし、不正確な到着予想時刻(ETA)が実際のコストにつながるような状況でも、より一貫性があり、説明可能な結果を得ることができます。
HLRは、HEREが提供する幅広い機能をよりシンプルに活用するためのエントリーポイントとして、企業のAIエージェントによる、より信頼性の高い意思決定を支援します。同時に、お客様はLLM、エージェントフレームワーク、アプリケーションアーキテクチャを自由に選択・管理できます。
Omdia チーフAIアナリスト、Lian Jye Su氏のコメント:
「AIアプリケーションがコンテンツ生成から実際の意思決定へと進化する中、信頼性の高い空間的コンテキストの重要性がますます高まっています。HERE Location Reasoningは、この課題に対する重要な一歩です。確率的な基盤モデルに決定論的な位置情報処理能力を組み合わせることで、ユーザーの意図の理解と、検証可能で信頼性の高い地理空間情報の理解とのギャップを埋めます。
このアプローチにより、開発者は使い慣れたAIフレームワークをそのまま活用しながら、位置情報に基づく意思決定を信頼できるデータに基づいて行うことができます。HLRは、空間インテリジェンスの信頼性を支えるガードレールとして機能します」
AIエコシステム全体でのアクセスを拡大
今回の最新アップデートにより、企業、開発者、AIエージェントがHERE Location Reasoning(HLR)を利用するための選択肢がさらに広がりました。
AWS Marketplace: AWS MarketplaceでHLRの提供を開始したことで、AWSのお客様は、既存のAWS Marketplaceアカウントを通じて、HLRの購入および管理をよりスムーズに行えるようになります。
Kiro Powers: HLRがKiro Powerとして利用可能になったことで、AWSのエージェント型IDEおよびCLIであるKiroを利用する開発者は、日常のコーディングワークフローの中からHLRへ簡単にアクセスできます。タスクでHLRが必要になると、KiroエージェントがHLRのツール、ドキュメント、ベストプラクティスを自動的に読み込むため、開発環境を切り替えることなく、位置情報を活用したエージェント型AIのユースケースを構築できます。
Agent Plugin対応パッケージ:HLRはAgent Pluginに対応しており、OpenAIのCodex、AnthropicのClaude Code、MicrosoftのVS Code、Cursorなどのコーディングエージェントに加え、主要な基盤モデルを活用して構築されたアプリケーションやエージェントにも容易に統合できます。
空間データエコシステム: HLRは、物理世界のデータを扱うWherobots AI Context Engineに直接統合されており、Wherobots Spatial AI ToolsおよびMCP Serverから利用できます。また、Wherobots独自のファーストパーティエージェントへの対応も近日中に予定されています。これらの機能により、HEREが提供する信頼性の高いリアルタイムのデータソースやAPIを活用し、物理世界に関する一貫性と再現性のある回答を得ることができます。WherobotsとHLRを活用したアプリケーション例は、Wherobots Havasu Knowledge Lakeで確認できます。
Wherobots CEO、Mo Sarwat氏のコメント:
「HERE Technologiesとの提携により、Location Reasoningサービスを、当社のAIコンテキストエンジンを活用して現実世界を決定論的に分析しているWherobotsのお客様に直接提供できることを大変うれしく思います。Wherobotsは現在、小規模なデータセットから地球規模の大規模なデータセットまでを活用し、AIエージェントが現実世界に関するさまざまな問いに答えられる環境を提供しています。HERE Location Reasoning(HLR)を組み合わせることで、『緊急時に最適なルートはどれか』『最も緊急性が高く、大きな効果が見込める地域に作業員を派遣するには、どのように配車を最適化すべきか』といった、重要な意思決定につながる問いにも対応できるようになります」 HLRの詳細やご利用開始方法については、こちらをご覧ください:https://www.here.com/solutions/here-location-reasoning
HERE Technologies について
HEREは世界を代表する地図・位置情報テクノロジー企業です。1985年の初期デジタルマップの提供以来40年以上にわたり、世界有数の企業のイノベーションを支え続けてきました。現在は、業界で最も新鮮かつ豊富な統合マップを基盤に、多様な業界のニーズに応える製品・サービス・ソリューションを提供し、あらゆるモビリティに新たな可能性を開いています。詳しくは here.comをご覧ください。