HERE Technologies、AIの意思決定を支える新たな位置情報基盤『Location Reasoning』を発表

AIモデルおよびエージェント型システムが動的な現実環境で動作する際の速度、精度、コスト効率を向上
HEREのエンタープライズグレードの地図データ、リアルタイム交通情報、道路インテリジェンスを統合し、スケーラブルで信頼性の高い結果を提供
HEREは業界トップのロケーションプラットフォームとして、自動車、エンタープライズ、物流業界を支援し、2億3800万台以上の車両が利用
アムステルダム発 — 世界有数の地図およびロケーションデータ企業であるHERE Technologiesは本日、AIモデルやエージェント型システム、エンタープライズ展開において、現実世界での位置情報に基づいた確定的な意思決定を可能にする新たな地理空間基盤ソリューション「HERE Location Reasoning」の提供開始を発表しました。
質問応答から現実世界の意思決定へ
AIエージェントが単なる質問応答から実際のタスク実行へと進化する中で、「位置情報」は重要な要素となっています。しかし従来の大規模言語モデル(LLM)は、動的な空間推論に対応するよう設計されていません。これにより、ルートの誤り、自動化の失敗、コスト増大、業務の非効率といった現実的なリスクが生じています。
HERE Location Reasoningは、空間計算を言語モデルに任せるのではなく、実行時にAIシステムから呼び出される仕組みとすることで、このギャップを解消します。
確率的な推論に依存するのではなく、位置情報に関する問いを構造化された実行フローへ変換し、適切なHEREの地図データやロケーションサービス、さらに交通情報や道路属性、ネットワーク状況といったリアルタイムデータを自動的に組み合わせ、意思決定可能な回答を生成します。
現在主流となっている、位置情報のコンテキストを言語モデルに付与する検索ベースのグラウンディングに対し、HERE Location Reasoningは、空間計算そのものを実行するよう設計されています。これは、確率的なレスポンスではなく、一貫性があり、意思決定に資する結果を提供することを目的としています。
実世界の重要ユースケースに対応
AIシステムは現在、現実の位置情報に基づく判断を求められる場面が増えています。例えば、ルート上で5分以内に利用可能なEV充電器の検索、無駄な迂回を避けたカフェの選定、リアルタイム交通状況を考慮した薬局の営業時間内到達の可否判断などです。さらに高度なユースケースとして、トラックが道路制限を踏まえて安全に曲がれるかの判断や、車両条件・交通・ネットワーク制約を考慮した最適ルートの算出があります。フィールドサービスでは最適な技術者の自動割り当て、フリート運用ではリアルタイム条件に基づくルート最適化が求められます。これらの意思決定には単なる位置認識ではなく、物理世界の挙動に基づく正確かつ確定的な空間計算が必要です。
スケールでのパフォーマンス設計
HERE Location Reasoningは、低レイテンシーかつコスト効率の高い運用を可能にするよう設計されています。実行の最適化により、不要なAPI呼び出しやトークン消費を削減し、本番環境において予測可能な性能とコストを実現します。
主な特長:
確定的な結果:同じ入力と制約条件のもとで、推測に頼らず、毎回一貫した結果を提供
高速応答:位置情報処理の最適化による低レイテンシーの実現
低コスト:トークン使用量とAPI呼び出しの削減
信頼性の高い動的出力:リアルタイム交通や道路状況を反映
プライバシー保護設計:個人データや履歴を保持・共有しない
業界をリードするHEREのグローバル・ロケーション・プラットフォームを基盤に
HERE Location Reasoningは、世界で最も包括的なエンタープライズ向けデジタル地図基盤をもとに構築されています。HEREの地図およびロケーションサービスは、業界アナリストから世界No.1のロケーションプラットフォームとして評価されており、現在、世界中の主要な自動車メーカー、物流企業、エンタープライズに活用され、2億3800万台以上の車両で利用されています。
HEREプラットフォームは、200以上の国と地域にわたって6,800万km以上の道路を網羅しており、道路形状や接続性、交通パターン、道路規制に至るまで、業界で最も豊富な属性データを備えています。これらのデータは、多様なシグナルや情報源から得られる数十億件の実世界データを活用して継続的に更新され、現実世界を忠実に反映したデジタル表現を維持しています。
HERE Technologiesのプロダクトマネジメント担当シニア・バイス・プレジデントであるChristopher Handleyは、次のように述べています。 「AIは世界を説明することはできますが、現実がどのように機能するかを正確に計算することはできません。HERE Location Reasoningはそれを可能にします。企業が単純なオープンデータに基づくクエリから、より複雑な現実世界の意思決定へと進む中で、AIモデルの限界が明らかになっています。HERE Location Reasoningは、その不足している“実行レイヤー”を提供することで、AIが空間的な結果を正確かつ一貫して計算し、現実世界で迅速かつ確信をもって行動できるようにします」
本ソリューションにより、HEREは従来の地図やAPI提供にとどまらず、位置情報に基づく判断を正確に行うための実行基盤を提供します。
これにより、開発者の負担を軽減し、さまざまな業界において信頼性の高い本番運用対応のエージェント型AIの実現を支援します。
HERE Location Reasoningは現在、一部の顧客およびパートナー向けに提供しています。